結論
フットサルは、捻挫が起こりやすい条件が揃っています。
硬い床、狭いコート、頻繁な方向転換、薄いソール。そして相手との接触が近い。
一度捻ると癖になりやすいのも、この競技の特徴です。
私はフットサルの選手として、全国大会に3回出場しました。3位入賞、関西リーグ優勝、兵庫県代表としても活動していました。
そのあいだに、足首の捻挫は何度も経験しています。なぜこの競技で捻挫が起こりやすいのか、自分の体で通ってきたことを書きます。
サッカー経験者がフットサルを始めると、多くが最初の数か月で足首を痛めます。同じ球技なのに、体への負担がまったく違うからです。
体育館の床は、土や芝と違って足が滑りません。
滑ることには、逃げ場を作るという意味があります。無理な角度に入っても、足がずれれば足首は守られる。
フットサルシューズは、床をつかむように作られています。足が止まったまま、体だけが動く。その力が足首に集中します。
コートが狭いぶん、ボールに触る頻度が高く、切り返しが絶え間なく続きます。
サッカーの試合で90分走るより、フットサルの20分のほうが方向転換の回数は多いことも珍しくありません。
捻挫が起こるのは、走っているときではありません。止まるとき、切り返すとき、そして着地するときです。
フットサルシューズは、床の感覚を拾うために意図的にソールが薄く作られています。
プレーの精度は上がりますが、足首を支える構造はほとんどありません。バスケットシューズのようにハイカットで固定するものでもない。
コートが狭いため、相手との距離が常に近い。
相手の足を踏んで捻るというパターンが、この競技では特に多い。自分のバランスが完璧でも、避けられないことがあります。
POINT
硬い床、狭いコート、薄いソール、近い接触。この4つが重なるのがフットサルです。足首にとっては、条件が揃いすぎています。
コーチとして現場にいると、捻挫が起こるタイミングには傾向があると感じます。
- サッカーからフットサルに切り替えた直後
- 久しぶりに復帰した最初の1か月
- 試合の終盤、疲労が溜まった時間帯
- 新しいシューズに変えた直後
- 屋外コートから体育館に会場が変わった
- 過去に同じ足首を捻っている
最後の項目が、最も多い。一度捻った足首は、繰り返しやすくなります。
足首の靭帯や関節の周りには、傾きを感じ取るセンサーが埋まっています。
危険な角度に入りかけると、脳が瞬時に筋肉へ指令を出し、足首を立て直す。この反応は、意識するより早く起こります。
捻挫では、このセンサーも一緒に傷つきます。信号が遅れ、立て直しが間に合わず、また捻る。
腫れと痛みが引くと「治った」と判断して復帰する。でもセンサーの働きは、痛みとは別の時間軸で回復します。
私自身、これを何度も繰り返しました。「痛くないから大丈夫」で復帰して、また捻る。この循環から抜けるには、判断基準を変えるしかありません。
「痛くなくなったから」ではなく、次の3つが揃ってから復帰してください。
- 片脚立ちの左右差がない。目を開けて30秒、目を閉じて20秒。健側と同じようにできるか
- 片脚で10回連続ジャンプできる。着地で痛まない、ぐらつかない、怖さがない
- 速歩き30分で痛まない。その日の夜も、翌朝も
そのうえで、段階的に戻します。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | まっすぐ走る(直線のジョグ) |
| 2 | 直線でのダッシュ |
| 3 | ゆるやかな方向転換(8の字走行) |
| 4 | 急な切り返し、サイドステップ |
| 5 | 対人・ゲーム形式 |
フットサルで最も危ないのは、段階3から4です。直線が走れても、切り返しができるとは限りません。ここを飛ばすと、再受傷します。
壁の近くで、片脚立ち。目を開けて30秒、慣れたら目を閉じて。さらに慣れたら、クッションや畳んだタオルの上で。朝晩、左右1分ずつ。
センサーの働きを鍛える基本です。不安定な場所でやるほど、足首は細かく反応することを求められます。
壁の前に立ち、つま先を壁から10cm離します。かかとを床につけたまま、膝を壁に近づける。10回。
足首が硬いと、着地のたびに外側へ逃げやすくなります。
軽いジョギングだけで済ませていませんか。
フットサルで必要なのは、止まる動作と切り返しに体を慣らすことです。短い距離のダッシュとストップ、サイドステップ、切り返し。段階的に強度を上げながら入れてください。
いきなりゲーム形式に入るのが、最も危険です。
過去に捻挫している方は、試合でテーピングを使う価値があります。再受傷のリスクを減らす助けになります。
ただし、頼りきりになると足首自身が働く機会が減ります。バランス練習と並行して使い、徐々に外していくのが理想です。
※感じ方には個人差があります。転倒に注意し、無理のない範囲で行ってください。
- くるぶしの骨そのものを押すと激痛
- 足の甲の外側(小指側の付け根)を押すと痛い
- 受傷直後、4歩以上続けて歩けなかった
- 足首が大きく腫れ、内出血が広がっている
- 足首の形が変わっている、しびれがある
捻挫と思っていても、骨折していることがあります。「歩けるから大丈夫」は通用しません。画像で確認できるのは医療機関だけです。
ハイカットのシューズなら予防できますか?
足首を覆うタイプは、ある程度の支えになります。ただ、フットサルシューズでハイカットの選択肢は多くありません。テーピングやサポーターのほうが現実的です。
何度も捻っています。もう無理でしょうか?
センサーの働きは、時間が経っていても練習で改善が期待できるとされています。年単位で放置していた方でも、バランス練習を続ける価値はあります。
週1回の社会人チームです。予防は必要ですか?
むしろ必要です。平日は座りっぱなしで、週末だけ全力で動く。この形は体にとって負担が大きい。平日に片脚立ちを1分やるだけでも違います。
試合中に捻りました。続けていいですか?
やめてください。受傷直後に動くと、損傷を広げます。アドレナリンで痛みを感じにくくなっていることもあります。まず冷やして固定し、受診してください。
大会が近いのですが
状態によります。3つの条件が揃っているなら、段階を踏みながら出場できる場合もあります。揃っていない場合は、出場の可否を含めて相談が必要です。
かふう西台整骨院では、片脚立ちの左右差と、足首の動く範囲を実際に測ります。何年も前の捻挫でも、差が残っていることがよくあります。
骨折を疑うサインがある場合は、施術より先に整形外科の受診をご案内します。
あわせて、お尻の筋肉の働きと股関節の動きを確認します。足首だけを見ても、繰り返す理由は分かりません。
施術は鍼灸で行い、手技は使いません。足首そのものには鍼を刺さず、離れた場所のツボを使います。押して痛い場所の変化をご自身で確かめていただきながら進めます。
院長は現在もS.CインテルナシオナルでU-15のコーチを務めています。フットサルの現場で、どんなタイミングで捻挫が起こるのかを知っています。復帰の段階的な進め方も、競技の実情を踏まえてご相談できます。
※お身体の状態や経過には個人差があります。
※本記事は一般的な情報提供であり、診断にかわるものではありません。
捻ってしまう方へ
片脚立ちの左右差から確かめます。
フットサル経験者・現役U-15コーチが対応します。
かふう西台整骨院|〒664-0875

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