アキレス腱炎のストレッチ|膝を伸ばすか、曲げるか

結論

アキレス腱炎のストレッチは、2種類やってください。

膝を伸ばした状態と、膝を軽く曲げた状態。伸びる筋肉が違うため、片方だけでは足りません。

アキレス腱そのものを無理に伸ばす必要はありません。伸ばすのはふくらはぎです。

アキレス腱炎のストレッチを調べると、壁に手をついてふくらはぎを伸ばす方法が出てきます。

ただ、膝を伸ばすのか、曲げるのか。ここまで書かれていないことが多い。この違いに意味があります。

なぜ2種類必要なのか

ふくらはぎには、大きく2つの筋肉があります。どちらもアキレス腱につながっています。

筋肉どこにあるか伸ばし方
腓腹筋
(ひふくきん)
ふくらはぎの表層。膝の上から始まる 膝を伸ばして伸ばす
ヒラメ筋 腓腹筋の下。膝より下から始まる 膝を曲げて伸ばす

腓腹筋は膝をまたいでいるため、膝を曲げると緩んでしまいます。だから伸ばすときは膝を伸ばす。

逆にヒラメ筋は膝をまたいでいないので、膝を曲げても緩みません。むしろ膝を曲げて腓腹筋を緩めたほうが、ヒラメ筋だけを狙えます。

POINT

膝を伸ばしたストレッチだけをやっていると、ヒラメ筋が硬いまま残ります。アキレス腱炎のストレッチで2種類必要なのは、このためです。

アキレス腱のストレッチ|2種類
1|膝を伸ばす(腓腹筋)

壁の前に立ち、両手を壁につきます。

痛むほうの脚を後ろへ大きく引きます。つま先はまっすぐ前へ。

かかとを床につけたまま、後ろ脚の膝を伸ばします。体重を少し前にかけると、ふくらはぎの上のほうが伸びます。

20〜30秒キープ。左右2セットずつ。

2|膝を曲げる(ヒラメ筋)

同じ姿勢から始めます。

かかとを床につけたまま、後ろ脚の膝を軽く曲げます。腰を少し落とすイメージです。

伸びる場所が変わります。ふくらはぎの下のほう、アキレス腱に近い部分に伸びを感じれば正解です。

20〜30秒キープ。左右2セットずつ。

伸びる場所の違いを確かめてください

2つを続けてやってみて、伸びる位置が変わるかどうかを感じ取ってください。

  • 膝を伸ばす → ふくらはぎの上のほう、膝裏寄り
  • 膝を曲げる → ふくらはぎの下のほう、アキレス腱寄り

違いが分からない場合、膝の曲げ具合が足りないか、かかとが浮いている可能性があります。

やってはいけないこと
この4つは避けてください
  • 反動をつけて弾ませる
  • かかとが浮いた状態で伸ばす
  • 痛みが出るほど強く伸ばす
  • アキレス腱そのものを直接もむ、押す

反動をつけると、筋肉は防御反応で逆に縮もうとします。伸ばしているつもりが、伸びていません。じんわり20〜30秒が正解です。

アキレス腱自体は伸ばさなくていい

ここは誤解されやすい点です。

腱は、筋肉ほど伸び縮みする組織ではありません。無理に伸ばそうとすると、かえって刺激になります。

アキレス腱炎のストレッチで狙うのは、その上にあるふくらはぎです。ここが緩めば、腱にかかる張力が変わります。

いつやるのがいいか
タイミングやり方
お風呂上がり もっとも伸びやすい。10分以内が目安
運動の前 静かに伸ばすより、軽く動かすほうが向く
運動の後 静かに20〜30秒。熱感があれば冷やしてから
朝 起き上がる前に足首を10回動かすだけでも違う

POINT

朝の一歩目がこわばる方は、ベッドから降りる前に足首を上下に10回動かしてみてください。寝ているあいだに縮んだ状態を、体重をかける前にほぐしておく狙いです。

ストレッチと一緒にやること
足裏をゆるめる

椅子に座り、ゴルフボールを土踏まずの下で3分ほど転がします。

足底からふくらはぎ、アキレス腱はひと続きにつながっています。足裏が硬いままだと、足首の動きが出にくくなります。

足首の動きを確かめる
  1. 壁の前に立ち、つま先を壁から10cm離します
  2. かかとを床につけたまま、膝を壁に近づけます
  3. 膝が壁に触れるか確認します

触れなければ、足首を上に反らせる動きが制限されています。左右差があれば、痛む側のほうが硬いことが多いはずです。

ストレッチを2週間続けて、この差が縮まるかどうか。これが変化の目安になります。

※感じ方には個人差があります。痛みが強く出る場合はすぐに中止してください。
※無理のない範囲で行ってください。

こういう場合はストレッチをしないでください
先に整形外科を受診すべきサイン
  • ふくらはぎの後ろで「ブチッ」という音や衝撃を感じた
  • つま先立ちがまったくできない
  • かかと周辺が大きく腫れた、内出血が広がっている
  • 強い痛みで体重をかけられない
  • アキレス腱に触れると、へこんでいる部分がある

アキレス腱断裂が疑われます。ストレッチで対処する段階ではありません。

また、熱感や腫れが強い時期は、ストレッチが刺激になることがあります。その場合は無理に伸ばさず、まず状態が落ち着くのを待ってください。

よくある質問

2週間続けても変わりません

ふくらはぎの硬さ以外に要因がある可能性があります。足のアーチの崩れ、股関節の使い方、シューズ、練習量。あるいは、痛み出してから長く経っている場合、ストレッチだけでは足りないこともあります。

ストレッチ中に痛みが出ます

伸ばしすぎか、炎症が強い時期の可能性があります。まず伸ばす強さを半分に落としてみてください。それでも痛むなら、いったん中止して医療機関にご相談ください。

段差を使ったストレッチはどうですか?

階段や段差でかかとを落とす方法もあります。ただ、体重がかかるぶん負荷が大きくなります。壁を使った方法で慣れてから、段階的に取り入れるほうが安全です。

毎日やったほうがいいですか?

毎日で構いません。1日2回(朝と入浴後)程度が続けやすいと思います。ただ、回数を増やせば早く変わるというものではありません。続けることのほうが大切です。

走る前にやるべきですか?

走る前は、静かに伸ばすストレッチより、足首を動かしたり軽く跳んだりするほうが向いています。じっくり伸ばすのは、運動後や入浴後にしてください。

当院での進め方

かふう西台整骨院では、ふくらはぎのどちらが硬いかを確かめてから、お伝えするストレッチを決めます。腓腹筋が硬い方と、ヒラメ筋が硬い方では、優先順位が変わるからです。

あわせて、足首を上に反らせる角度の左右差、足のアーチ、歩行や走行の動作を確認します。アキレス腱に負担を集めているのは、腱そのものではありません。

施術は鍼灸で行い、手技は使いません。アキレス腱そのものには鍼を刺しません。離れた場所のツボを使い、押して痛い場所の変化をご自身で確かめていただきながら進めます。

院長は「腕と足の鍼灸治療協会」の会員として、アキレス腱の症状に対する鍼灸を修めています。

※お身体の状態や経過には個人差があります。
※本記事は一般的な情報提供であり、診断にかわるものではありません。

ストレッチを続けても
変わらないという方へ

かふう西台整骨院では、押して痛い場所を確かめてから施術します。
当院でお受けできる状態かどうかも含めて、お答えします。

かふう西台整骨院|〒664-0875 兵庫県伊丹市野間北2-10-17|TEL 072-779-5345
完全予約制/駐車場1台あり/腕と足の鍼灸治療協会 会員院

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