結論
体育館の床が足に与える負担は、2つの性質から来ています。
ひとつは衝撃を吸収しないこと。もうひとつは、足が滑らないこと。
前者が足底筋膜炎・アキレス腱炎・シンスプリントに、後者が捻挫と膝のねじれにつながります。
体育館で練習するようになってから、足が痛み出した。夏休みに入って体育館の時間が増えたら、すねが痛くなった。
「床が硬いから」とよく言われますが、実際に何が起きているのか。この記事では、その中身と対策をお伝えします。
土や芝の上では、着地の瞬間に地面が少し沈みます。その沈み込みが、衝撃の一部を引き受けています。
体育館の床は沈みません。着地の力が、ほぼそのまま足に返ってきます。
| 路面 | 性質 |
|---|---|
| 芝・土 | 沈み込みがあり、衝撃の一部を吸収する |
| アスファルト | 吸収しないが、足は多少滑る |
| 体育館の床 | 吸収せず、かつ足が滑らない |
体育館が特殊なのは、この組み合わせです。硬いだけならアスファルトも同じ。滑らないことが加わるのが、床の特徴です。
吸収されなかった衝撃は、体の中を上へ伝わります。どこで受け止めるかによって、痛む場所が変わります。
- 足裏/土踏まずが潰れ、足底筋膜が引き伸ばされます → 足底筋膜炎
- かかとの上/ふくらはぎが硬いまま跳べば、腱に張力が集中します → アキレス腱炎
- すねの内側/着地のたびに、すねに付く筋肉が引っぱられます → シンスプリント
- 膝/足首が硬いと、衝撃が膝に集まります → 膝の痛み
- かかと(成長期)/かかとの骨の成長軟骨に負担が集まります
POINT
この5か所は、どれも同じ原因から起こります。体育館での練習が増えた時期に痛み出したなら、場所が違っても背景は共通です。
ここが、あまり語られない点です。
滑ることには、逃げ場を作るという意味があります。無理な角度に入っても、足がずれれば関節は守られる。
体育館の床と、屋内用シューズの組み合わせでは、これが起こりません。足が止まったまま、体だけが動く。その力が、足首と膝にそのままかかります。
- 急停止や切り返しで足首をひねる → 足首の捻挫
- 着地で膝が内側に入り、ねじれる
- 方向転換で、膝の外側や内側に負担が集まる
- 足が止まった状態で上半身が回り、股関節に負担がかかる
捻挫は、走っているときには起こりません。止まるとき、切り返すとき、着地するとき。体育館はこの3つが頻繁に起こる場所です。
同じ体育館でも、競技によって負担のかかり方が違います。
| 競技 | 負担の特徴 |
|---|---|
| バスケ バレー |
ジャンプと着地が中心。アキレス腱、膝のお皿の下、かかとに集まりやすい |
| フットサル | 切り返しが絶え間なく続く。足首と膝のねじれ、アキレス腱 |
| バドミントン | 前後の踏み込みが深い。アキレス腱、膝、足首 |
| 剣道 | 裸足での踏み込み。足裏とかかとに直接衝撃が入る |
| 体操 | 着地の衝撃が大きい。かかと、足首、膝 |
剣道が特殊です。裸足のため、シューズによる緩和がまったくありません。足裏とかかとの痛みが出やすい条件が揃っています。
体育館が原因になっている場合、こういう変化と重なります。
- 屋外から体育館に練習場所が変わった
- 夏休みや冬休みで、体育館の時間が増えた
- 大会前で、体育館での実戦練習が増えた
- 新しいシューズに変えた
- サッカーからフットサルに切り替えた
- 久しぶりに競技を再開した
体の状態と同じくらい、環境の変化が効きます。どこが痛いかだけでなく、いつから痛いかを一緒に振り返ってください。
床を変えることはできません。だから、床と足のあいだを変えます。
靴のかかと部分を、親指と人差し指で挟んで押します。
簡単につぶれるものは避けてください。着地のたびに足が横にぶれ、足首と膝にねじれる方向の負担がかかります。
かかととつま先の高さの差です。
差が小さいフラットな靴は、立っているだけでアキレス腱が伸ばされた状態になります。アキレス腱やふくらはぎに痛みがある時期は、少し高さのあるものを。
靴を両手で持って曲げます。足の指の付け根あたりで曲がるのが正解です。
真ん中から二つ折りになるものは柔らかすぎます。足が安定しません。
屋内用シューズは、床の感覚を拾うためにソールが薄く作られています。
インソールを入れ替えるだけでも変わります。クッション性のあるもの、アーチを支えるもの。靴ごと買い替えるより手軽です。
同じ靴を使い続けると、ソールの減り方が一方向に偏ります。交互に使うと、足への当たり方が変わります。
クッション材が回復する時間も確保できます。
体育館だけの週が続くなら、ランニングや基礎練習は土や芝に移してください。衝撃の種類が変わるだけで、同じ場所への蓄積が減ります。
軽いジョギングだけで済ませていませんか。
体育館で必要なのは、止まる動作と切り返しに体を慣らすことです。短い距離のダッシュとストップ、サイドステップ、切り返し。強度を上げながら入れてください。
冷えた状態でいきなりゲーム形式に入るのが、最も危険です。
走行距離は意識しても、ジャンプの回数を数えている人はまずいません。
体育館競技で負担を決めるのは、走った距離より着地の回数です。ジャンプ練習を連日入れていないか、確認してください。
ゴルフボールを土踏まずの下で3分ほど転がします。かかとの骨の上には乗せないこと。
足底からふくらはぎ、アキレス腱はひと続きにつながっています。足裏が硬いままだと、足首の動きも出にくくなります。
壁に両手をつき、片脚を後ろへ引きます。かかとを床につけたまま、膝を伸ばして20〜30秒、次に膝を軽く曲げて20〜30秒。
膝を伸ばすほうで腓腹筋、曲げるほうでヒラメ筋が伸びます。2種類やることに意味があります。
※感じ方には個人差があります。痛みが強く出る場合はすぐに中止してください。
※無理のない範囲で行ってください。
- 一点を押すと飛び上がるほど痛い(疲労骨折の疑い)
- 「ブチッ」という音や衝撃を感じた
- つま先立ちがまったくできない
- 安静にしていても、夜も痛む
- 腫れている、熱を持っている
- 痛みで体重をかけられない
- しびれをともなう
画像で確認できるのは医療機関だけです。成長期のお子さまは、靭帯より骨のほうが弱いため、より慎重な確認が必要です。
体育館の床は、どこも同じ硬さですか?
施設によって違います。下に緩衝材が入った構造のものもあれば、古く硬い床もあります。遠征で会場が変わったとたんに痛み出すことがあるのは、このためです。
クッション性の高い靴を選べば解決しますか?
負担は減りますが、柔らかすぎると足が不安定になり、別の問題が出ます。かかとがしっかりしていて、ソールの曲がる位置が正しいこと。この2つを満たしたうえでクッション性を見てください。
剣道で裸足です。できることはありますか?
練習中は裸足でも、それ以外の時間を変えられます。移動時や普段の靴をクッション性のあるものにする、練習後に足裏をゆるめる、踏み込みの回数を調整する。足裏への総量を減らす方向で考えてください。
サポーターは使ったほうがいいですか?
過去に捻挫している方は、試合で使う価値があります。ただ、頼りきりになると足首自身が働く機会が減ります。バランス練習と並行して使ってください。
痛みが出たら、練習を休むべきですか?
状態によります。疲労骨折を疑うサインがあれば止めてください。そうでなければ、量を調整しながら続けられる場合もあります。ジャンプ系だけ減らす、硬い床での時間を減らす、といった方法があります。
かふう西台整骨院では、初回に練習環境を詳しくお聞きします。週に何回、どこで、どんな練習をしているか。屋内か屋外か。会場が変わっていないか。
そのうえで、押して痛い場所を指で特定します。同じ「体育館で痛くなった」でも、痛む場所によって対応が変わるからです。
あわせて、ふくらはぎの硬さ、足首の動く範囲、足のアーチを確認します。初回は、普段履いているシューズをお持ちいただけると助かります。ソールの減り方に、負担の集まり方が出ています。
施術は鍼灸で行い、手技は使いません。痛む場所そのものには鍼を刺さず、離れた場所のツボを使います。
院長は現在もS.CインテルナシオナルでU-15のコーチを務めています。体育館での練習がどう組まれ、大会前に何が起きるのか。指導する側として現場にいるからこそ、分かることがあります。
※お身体の状態や経過には個人差があります。
※本記事は一般的な情報提供であり、診断にかわるものではありません。
痛み出したという方へ
初回は、普段履いているシューズをお持ちください。
当院でお受けできる状態かどうかも含めて、お答えします。
かふう西台整骨院|〒664-0875 兵庫県伊丹市野間北2-10-17|TEL 072-779-5345
完全予約制/駐車場1台あり/腕と足の鍼灸治療協会 会員院


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